「単元計画をゼロから作るたびに、授業準備だけで夜が終わる・・」
そんな経験はありませんか?
教科書を読み込み、目標を考え、10時間分の流れを組み立て、評価の観点まで整理する。大切な仕事だと分かっていても、毎回一から作るのはかなりの負担です。
実は私自身も、30年以上教壇に立つ中で、単元計画づくりに多くの時間を取られてきました。
授業そのものよりも、計画書を整える作業に時間がかかってしまう。そんな感覚を何度も経験しています。
しかし、ChatGPTを使えば、この作業は大きく変えられます。
テンプレートと教科書PDFを渡すだけで、10時間分の単元計画のたたき台を数分で作ることができます。
もちろん、そのまま提出するのではなく、教師が実態に合わせて修正する前提です。
それでも、最初の骨組みを作る時間は大きく短縮できます。
この記事では、特別支援学校での実践例として、「お金の計算をしよう」という10時間の単元計画を例に、ChatGPTで単元計画を作る具体的な手順を紹介します。
さらに、毎回同じ作業をくり返さなくてすむように、GPTsを使って単元計画作成を仕組み化する方法まで解説します。
教員として30年以上勤務し、生成AIに関する研修にも登壇してきた筆者が、実際に使ったプロンプトも含めて、できるだけ分かりやすく紹介します。
この記事を読めば、ChatGPTで単元計画を作る流れが分かり、さらにGPTsを使って「単元名・時数・教科書PDFを入れるだけ」で計画案を作れる仕組みまで理解できます。
この記事では、次の流れで解説します。
- ChatGPTで単元計画を作るための3つの準備
- ChatGPTで単元計画を作る2ステップ
- ChatGPTが作った単元計画の実例|「お金の計算をしよう」10コマ
- 単元計画を繰り返し使う2つの方法
- GPTsで単元計画を自動化する方法|プロンプト全文付き
それでは、順番に説明していきましょう。
ChatGPTで単元計画を作るための3つの準備

ChatGPTに単元計画を作らせるには、事前に2つのファイルと1つのプロンプトを用意します。準備さえ整えば、操作は誰でも再現できます。
この節では、次の3点を説明します。
- 単元計画テンプレートを用意する
- 教科書の対象ページをPDFにする
- プロンプトをあらかじめ書いておく
順番に見ていきましょう。
単元計画テンプレートを用意する
まず必要なのは、学校で使っている単元計画テンプレートのファイルです。
ChatGPTはアップロードされた書式に合わせて出力するため、学校独自のフォームに沿った計画書が作れます。
Word形式でもGoogleドキュメント形式でも対応しています。既存の計画書をそのまま流用すれば、準備の手間はほぼゼロです。
手元にある計画書をそのまま使いましょう。
教科書の対象ページをPDFにする
次に用意するのは、教科書の単元ページのPDFです。
ChatGPTはPDFの内容を読み取り、教科書の順序・内容に沿った計画を作成します。スキャンまたはスマホのカメラPDF化アプリ(Adobe Scan・Microsoft Lens など)で作成できます。全ページ必要ありません。単元の範囲だけを切り出してください。
伝さん私が最初に試したときは、コピー機のスキャン機能でPDFにしました。



スマホアプリのほうがずっと手軽ですよ。
プロンプトをあらかじめ書いておく
ChatGPTに渡す指示文(プロンプト)を、事前にメモアプリやテキストファイルに保存しておきましょう。
毎回一から考えるのではなく、テンプレート文を持っておけば次回以降はコピペで済みます。以下が基本のプロンプト文です。
あなたは特別支援学校の先生です。
高等部の生徒に対して「(単元名)」という単元を組みます。
教科書のPDFを送りますので、それに基づいて(時数)時間の単元計画を作ってください。
なお、単元計画はアップロードした単元計画テンプレートに沿って作ってください。
単元名と時数の2か所を入れ替えるだけで、どの単元にも使い回せます。
ChatGPTで単元計画を作る2ステップ


準備ができたら、操作は2ステップで完結します。慣れれば5分かかりません。
この節では、次の2点を説明します。
- ステップ1 ChatGPTにファイルをアップロードする
- ステップ2 プロンプトを入力して送信する
順番に見ていきましょう。
ステップ1 ChatGPTにファイルをアップロードする
ChatGPTの入力欄の「+」ボタンから、テンプレートとPDFの2ファイルを追加します。
ChatGPTはアップロードされたファイルを読み込み、内容をもとに出力を生成します。ファイルは2つまとめて追加でき、順序は問いません。ドラッグ&ドロップでも追加できます。
まずファイルを追加してから、次のステップに進んでください。




ステップ2 プロンプトを入力して送信する
準備したプロンプトを貼り付けて送信するだけで、単元計画の出力が始まります。


ファイルの内容とプロンプトの指示を組み合わせて、ChatGPTが計画書を構成します。出力はWordファイルのダウンロードリンク形式で提供されることが多く、リンクをクリックするだけでファイルが手元に届きます。





送信してから出力が完了するまで、どのくらい時間がかかりますか?



私の経験では1,2分ほどです。10時間分の単元計画がその時間で完成するのは、正直驚きました。
ChatGPTが作った単元計画の実例|「お金の計算をしよう」10コマ


実際にChatGPTが出力した単元計画を紹介します。特別支援学校高等部の数学「お金の計算をしよう」10コマ分の完成例です。
この節では、次の2点を紹介します。
- 単元目標の3観点
- 1〜10時間の学習内容と主な活動
見ていきましょう。
単元目標の3観点
単元目標は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点で出力されます。
現行の学習指導要領に沿った3観点形式を、ChatGPTが自動で構成します。テンプレートに観点の形式が入っているとさらに精度が上がります。
| 観点 | 目標 |
|---|---|
| 知識・技能 | 硬貨・紙幣の種類や呼び方を知り、同じ種類のお金をまとめながら、金額を数えたり書いたりすることができる。 |
| 思考・判断・表現 | 買い物場面に応じて、ぴったりの支払い方やおつりの求め方を考え、予算内で選べる品物を表や言葉で表すことができる。 |
| 主体的に学習に取り組む態度 | 身近な買い物や小遣い帳の学習に関心をもち、友達や教師と確認しながら、最後まで活動に取り組むことができる。 |
1〜10時間の学習内容と主な活動
10時間分の授業計画が、表形式で一括出力されます。「時・主な学習内容・ねらい・主な活動」の4項目が各時間ごとに整理されています。そのまま印刷・提出できるクオリティで出力されます。
| 時 | 主な学習内容 | ねらい | 主な活動 |
|---|---|---|---|
| 1 | お金の種類を知る | 硬貨・紙幣の種類と呼び方を知る。 | 1円玉〜10000円札を確認する。実物や模型を見て「○円玉」「○円札」と読む。 |
| 2 | 金額の大きさを比べる | 金額の安い順・高い順を考える。 | 硬貨と紙幣のカードを安い順・高い順に並べ替え、友達と確認する。 |
| 3 | お金を数える① | 同じ種類のお金をまとめて数えるよさに気付く。 | ばらばらの硬貨を種類ごとに分ける。10円玉・100円玉をまとまりで数える。 |
| 4 | お金を数える② | 金額を数字で書く方法を知る。 | 百・十・一の位に分けて金額を書く。ない位には0を書くことを確認する。 |
| 5 | ぴったりの払い方① | 示された金額をぴったり払う方法を考える。 | 340円・567円などの場面で硬貨・紙幣カードを選んでトレーに置く。 |
| 6 | ぴったりの払い方② | 千円以上の金額をぴったり払う経験をする。 | 804円・4,213円などを扱う。紙幣と硬貨を組み合わせて払う。 |
| 7 | おつりのある払い方 | 出したお金と品物の金額からおつりを求める。 | 680円・980円の品物を1000円札で払い、おつりを式や電卓で確かめる。 |
| 8 | 予算を考える① | 予算内で買える品物を選ぶことができる。 | メニュー表を見て300円で買える飲み物、600円で買える食べ物を探す。 |
| 9 | 予算を考える② | 複数の品物を組み合わせて予算内に収める。 | 1,000円で2品を、2,000円で3品を選び合計金額を計算する。 |
| 10 | 小遣い帳をつける | 収入・支出・残高の意味を知り、生活場面と結び付ける。 | レシートの見方を確認。小遣い帳に記入し残ったお金を計算。学習を振り返る。 |
単元計画を繰り返し使う2つの方法


一度作った環境を使い捨てにしないことが、時短の本質です。ChatGPTでの単元計画作成を「仕組み」として残す方法が2つあります。
この節では、次の2点を紹介します。
- チャットをブックマークして再利用する
- GPTsを作って単元計画を自動化する
それぞれ紹介します。
チャットをブックマークして再利用する
ChatGPTのチャット画面はブラウザでブックマークできます。
同じチャットを開けばファイルの読み込み履歴が残り、追加指示だけで別単元の計画が作れます。Chromeのブックマークに「単元計画メーカー」と名付けておけばすぐ見つかります。サイドバーの履歴からでも同じチャットに戻れますが、ブックマークのほうが手軽です。
GPTsを作って単元計画を自動化する
GPTsとは、プロンプトとナレッジをあらかじめ内蔵させた「専用のChatGPT」のことです。
単元名・時数・教科書PDFを入力するだけで単元計画が出力される専用AIを作れます。毎回プロンプトを貼り付ける手間がなくなり、同僚や教科主任にも共有できます。一度作れば、学校全体で使い回せる資産になります。



GPTsって何ですか?難しそうで敷居が高いイメージがあります。



ChatGPTのサイト上で5分あれば作れます。次のセクションで手順を丁寧に説明しますね。
GPTsで単元計画を自動化する方法|プロンプト全文付き


GPTsの作成は、ChatGPTの画面から数分でできます。難しい設定は不要です。指示文とテンプレートファイルを用意するだけです。
この節では、次の2点を説明します。
- GPTsの作り方(4ステップ)
- GPTsに入れる指示プロンプトの全文
順番に説明します。
GPTsの作り方(4ステップ)
ChatGPTの左サイドバー「GPTを探す」→「作成する」から新規GPTを作成します。
最近(20260620)画面が変わって↓のような感じになっています。




「設定」タブの「指示」欄にプロンプトを入れ、「ナレッジ」にテンプレートをアップロードします。


右上の「作成する」を押せばGPTsが完成です。URLをブックマークすれば次回からそこに直行できます。所要時間は慣れれば5分以内です。


GPTsに入れる指示プロンプトの全文
以下が、そのままコピーして使えるGPTs用プロンプトの全文です。
単元名・時数・教科書PDFの3点を入力するだけで単元計画が完成する設計になっています。「禁止すること」「作成するときの決まり」を細かく設定することで、出力のブレを抑えられます。
あなたは、特別支援学校の単元計画を作成する教員アシスタントです。
ユーザーが入力した「単元名」「時数」と、アップロードされた教科書PDFをもとに、
単元計画を作成してください。
単元計画は、Knowledgeに入っている単元計画テンプレートの形式に沿って作成してください。
【作成するときの決まり】
1. 教科書PDFの内容をもとにする
教科書PDFを読み取り、扱われている内容や順序を参考にして単元計画を作ってください。
2. 単元名と時数を守る
ユーザーが指定した単元名と時数に合わせて作成してください。
3. 特別支援学校の生徒向けにする
実物・絵カード・写真・具体物・教師の見本・繰り返しの確認などを取り入れ、
生活に結び付いた活動にしてください。
4. 単元目標は3観点で作る
・知識・技能
・思考・判断・表現
・主体的に学習に取り組む態度
5. 単元計画は1時間ごとに作る
各時間について、次の項目を作成してください。
・時
・主な学習内容
・ねらい
・主な活動
6. 文体
学校の計画書として自然な文体で書いてください。
難しすぎる表現は避け、分かりやすく簡潔に書いてください。
【出力形式】
単元名
― 副題 ―
1 単元目標
観点 | 目標
知識・技能 |
思考・判断・表現 |
主体的に学習に取り組む態度 |
2 単元計画・○時間
時 | 主な学習内容 | ねらい | 主な活動
1 | | |
2 | | |
【不足している場合】
単元名、時数、教科書PDFのいずれかが不足している場合は、作成前にユーザーに確認してください。
【禁止すること】
・教科書PDFを読まずに作らない
・Knowledgeのテンプレートを無視しない
・活動をプリント学習だけにしない
・生徒を否定的に表す言葉を使わない
まとめ|ChatGPTで単元計画を作り、仕組みとして積み上げる


まず試してみるべきなのは、テンプレートと教科書PDFを用意してChatGPTに渡してみることです。
「難しそう」「うまくいくかわからない」という感覚は、実際に手を動かした瞬間に消えます。準備2ファイル・プロンプト1本・操作2ステップ。それだけで10時間分の計画書が数分で完成します。
まずは手元にある教科書の1単元を選んで、今日中に試してみてください。完璧な出力でなくても、「たたき台」として使えれば十分です。修正はあとからいくらでもできます。
もう一つ大切なのは、使った環境を仕組みとして残すことです。
一度きりの使い捨てにしてしまうと、次回また同じ準備からやり直すことになります。ブックマーク登録かGPTs化の、どちらか一方だけでも必ずやっておきましょう。
「1回使う」より「仕組みを作る」が、生成AI活用の本質です。
GPTsを作る前に、まずブックマーク登録だけでも済ませることを強くおすすめします。
そのうえでGPTsを作れば、単元名と時数を入れるだけで計画書が完成するので、「また単元計画か」と感じる夜はなくなります。
ChatGPTはあなたの授業準備を確実に支えるツールになるのです。
▼ GPTsをさらに活用したい方はこちら↓もどうぞ


よくある質問


- ChatGPTで作った単元計画はそのまま使えますか?
-
たたき台として使えます。出力後は内容を確認し、生徒の実態や学校の方針に合わせて修正しましょう。AIの出力をそのまま使うのではなく、担任が最終調整することで実用的な計画書になります。
- PDFがうまく読み込まれないときはどうすればいいですか?
-
スキャンしたPDFが画像形式の場合は認識精度が下がることがあります。Adobe ScanなどOCR機能付きアプリで再作成するか、テキストが埋め込まれたPDFを使うと改善します。
- GPTsはChatGPTの無料プランでも使えますか?
-
GPTsの「作成」機能はChatGPT Plusなどの有料プランが必要です。ただし作成済みのGPTsを使うだけなら、一部は無料プランでも利用できます。
- 特別支援学校以外の学校でも使えますか?
-
使えます。プロンプトの「特別支援学校の生徒向け」の部分を通常学級・中学校・高校など対象に合わせて書き直せば、同じ仕組みで単元計画を作れます。
- テンプレートはどのような形式でも使えますか?
-
Word(.docx)・PDF・Googleドキュメントの形式に対応しています。ExcelやPowerPointはChatGPTが構造を読み取りにくいため、できるだけWordかPDFを使うことをおすすめします。









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