読書

「きたきた捕物帖」 読みました!

久しぶりに宮部みゆきさんの作品を読みました。

「きたきた捕物帖」

2020年の発行 宮部さんがちょうど還暦あたりの年齢で書いたものになりますね。

読み始めて思ったのは表現が非常に巧みで、流れるような文章であることです。

私がいうのも烏滸がましいですが、名人芸のようです。

もちろん物語の筋も自然で無理がありません。

他の作家さんの中には、突飛な筋で「ありえない」と思ってしまうものもあります。それでもそこから力技で物語に入っていかせる作家さんが時々います。

ストーリーは、主人公北一が、お世話になっていた御用聞き千吉親分のことを思い出しながら、その未亡人のおかみさんと共に謎解きをしていくというものです。

宮部さんお得意の人情味溢れる、江戸ストーリーです。

今回のキタキタ捕物帖では主人公北一、千吉親分の未亡人の松葉茶、差配人の富堪、欅屋敷の新兵衛が主な登場人物です。

そしてそこに謎の少年喜多次が加わり、ストーリーは厚みを増していきます。

ところでこの北一のやっている文庫売りと言うものは実在の商売だったのでしょうか。

ネットで調べてみても検索すると、宮部さんのこの作品が上位に上がってきて、江戸時代に本当にあったかどうかははっきりしません。

もう一つはっきりしないのが、主人公北一の売っている「文庫」です。

私なぞは「本」と思ってしまいます。しかし、「文庫」とは「文(ふみ)」の「庫」つまり金庫の「庫」ですね。これも私の感覚で言えば「書庫」です。正しくは書庫は部屋を指すと思いますが・・・。

とにかく、本を入れる「入れ物」のようです。

本だけではなく、小間物も入れるものだったようです。

ただ、このいわゆる「文庫」は今でも商品になっており、通販でも売っているようです。

江戸は大変文化的に発展していた街で裕福な街でもあった、と言われます。ですので、意外に実在していたのかもしれませんね

そしてこの「きたきた捕物帖」では、亡くなった千吉親分が、それに「朱房」と言うプレミアをつけて売っていたことも、この物語のキーポイントになります。

もし、江戸にこの商品があったとすれば、アイデァ豊かな商人はこのようなものを売っていたかもしれませんね。

そういう点から言えば、宮部みゆきという作者は商売のセンスもあると言えるのではないでしょうか ?

この物語にはそのほかに千吉親分の上役にあたる、同心の沢井蓮太郎、その父の蓮十郎が登場します。

そのような人たちに囲まれながら、北一はおっかなびっくりですが、少しずつ岡っ引きの真似事をしていくことになります。

千吉親分の1番末の全く役に立たない子分であったと、自分では思っている北一ですが、実は、千吉親分が1番目をかけて、期待していたのはこの北一ではなかったのか、ということが読み取れます。

物語の後半では北一が少し成長し、岡っ引きとしての一歩を踏み出す様子が描かれています。そこには謎の少年喜多次も関わってきます。

前にも書いた通り、この喜多次という少年は謎の多い少年です。この本ではとうとう最後まで正体は明かされませんでした。

宮部みゆきさんはこの物語のどこかの段階でこの続編を書きたい、と思ったのではないでしょうか。

そこでこの喜多次の正体は明かさずに第一巻は終了させた、というふうに考えられますが、いかがでしょうか。

そこで読後に早速調べてみたら、案の定もう発刊されていました。なんと、ぼんくらシリーズのキャラクターも登場しているということ。

宮部ファンにはたまりませんね、私も早速読まなきゃ!

それにしても宮部みゆきさんの守備範囲は非常に広いですね。「蒲生邸事件」のようなSF、そして模倣犯のような現代的なストーリーそして、今回の「きたきた捕物帖」SFからファンタジー、そして時代物まで何でもござれという感じです。

優れた作家さんですね。

個人的にはその後を受け継いでいる作家は、有川 浩さんだと思っています。

この方の守備範囲もすごいですね。SFからラブストーリー、はては自衛隊の装備にもすごい詳しい。かと思うと、かの「佐藤さとる」さんの公認でコロボックルシリーズを引き継いでいます。

宮部さんとはタイプは違いますが、多彩な方だということは間違いがありません。

 

今日も読んでいただきありがとうございました。

Konちゃんでした!