私は生成AIが大好きですが、闇雲に信用すると言うのはどうかなと思っているものの1人です
私自身が昭和生まれの古い人間であることも関係しているかもしれません。どうしても自分で検証しないではいられないタイプだからかもしれません。

今回その検証をしたときに、これは注意したほうがいいなぁ、と感じたことがありますので、この記事でお伝えします。
ソースにPDFなどを指定したとき、NotebookLMはちょっとした勘違いをすることがある。
そのパターンをひとつ紹介します。
国語の内容一覧を使ったとき
指導要領は教員泣かせです。
目標から正確に読みとって使いなさい、とかと言われた日にはげんなりします。
何と言ってもあの分厚さ
果たして指導要領をちゃんと読む人っているんでしょうか?
ところが、NotebookLMの登場でそれは激変しました。
たとえば特別支援の自立活動の指導要領を読み込ませ、mindmapで表示すると、途端に読みやすくなります。
また、自分が探したいこともチャットに入力すれば一発で出てきます。





で、今回のPDFの件はどうなんですか?
はい。
で、今回もNotebookLMで仕事の効率化を図ろうと「特別支援国語内容一覧」を読み込ませたわけです。
見事に読み込みました 当たり前ですが・・ ところが!
使用したのは熊本大学のものです。





こんなふうにPDFにしてくれています。頭が下がります。
ラッキー、と思い、早速NotebookLMへ


ちゃんと読み込んでいるようです。
そこで



中学部2段階 読むことの内容を教えて
と入力。すると
中学部2段階の「読むこと」に関する内容について、提示されたソースに基づきご説明します。
ソースによりますと、特別支援学校の中学部2段階における「読むこと」の内容は以下の通りです。
- 様々な読み物を読み、情景や場面の様子、登場人物の心情などを想像すること。
- 語と語や文と文との関係をもとに、出来事の順序や気持ちの変化など内容の大体を捉えること。
- 日常生活や社会生活、職業生活に必要な語句、文章、表示などの意味を読み取り、行動すること。
また、「読むこと」に関連する項目として、「精査・解釈」や「考えの形成」についても中学部2段階の内容が示されています。
- 「精査・解釈」として、目的を意識して、中心となる語や文を見付けて要約することや、目的を意識して、文章と図表などを結び付けるなどして、必要な情報を見付けることが含まれます。
- 「考えの形成」として、文章を読んで理解したことに基づいて、感想や考えをもつことや、文章を読んで理解したことに基づいて、自分の考えをまとめることが含まれます。
これらの内容は、中学部2段階において、読み物を通して情景や登場人物の気持ちを想像したり、文章の内容や出来事の順序を捉えたり、さらには日常生活や社会生活に必要な情報を読み取って活用したりすることを目指していると考えられます。また、読んだ内容から考えを形成したり、要約したりする力もこの段階で扱われる内容に含まれています。
ちなみにもとのPDFのスクショは下のとおりです。


赤い字の部分が特別扱いのように読み込まれています。



指導要領の目標などしっかり読んだことのない私は「精査・解釈」ってナンノコッチャ? と思いました。
つまり、上のスクショの右側の部分をNotebookLMは解釈したんですね。
実はこれは、「高等部」に関わる部分です。
右側に高等部の目標が伸びていて、その内容について分類している表示なのです。



中学部には関係ないところですね。
ちなみに「考え方の形成」は中学部も関係があるので、後半はそのとおりなのです。
山形大学のWord形式を読み込む
熊本大学のものはそれはそれで使えますが、必要な部分だけを正確に抜き出してほしいですよね。
そこで探してみると山形大学がWord形式をつくっていました。
ところで、NotebookLMはワード形式を読み込むことができません。



そこで、Googleドキュメントに変換します。三点リーダーをクリックすると


Googleえらい!
このファイルをNotebookLMに読み込ませます。
ちなみに最近NotebookLMはドキュメントと同期できるようになりました。


下記のような感じになります。


熊本大学と同じように



中学部2段階 読むことの内容を教えて
と入力。すると
中学部2段階の国語における「読むこと」の内容について、ソースに基づき説明します。
中学部2段階の「読むこと」では、思考力・判断力・表現力等を育成することが目指されています。具体的には、以下の内容に取り組みます。
- 様々な読み物を読み、情景や場面の様子、登場人物の心情などを想像すること。
- 語と語や文と文との関係を基に、出来事の順序や気持ちの変化など内容の大体を捉えること。
- 日常生活や社会生活、職業生活に必要な語句、文章、表示などの意味を読み取り、行動すること。
- 中心となる語句や文を明確にしながら読むこと。
- 読んで感じたことや分かったことを伝え合い、一人一々の感じ方などに違いがあることに気付くこと。
これらの内容は、日常生活や社会生活、職業生活に必要な情報の読み取りや、物語などの読解を通じて、理解力や想像力を高め、読んだ内容について考えを深めたり他者と共有したりする力を養うことを示しています。



これこそ望んでいた出力ですね
ちなみに元データは下記の通り


完全に合致しています。
熊本と山形の差はどうして起きるの?


私の考えでしかありませんが「出力してほしいデータ」の近くに何が表示されているか、ということです。
上でも触れた通り、熊本大学のものはすぐ右に「精査・解釈」という欄がありました。
NotebookLMはこれを読み取って「わざわざ注釈入り」で出力してくれたのです。



考え方によっては、そこまで読み取ってくれるのはすごいこと、と言えますが。。。
自分はどんな「答え」が必要なのか
私の場合、単純に「内容をそのまま抽出」が希望だったわけです。
すると、山大のデータが正解です。
しかし、私より指導要領を熟知している人にとっては「精査・解釈」の部分が表示されるのは「願ったりかなったり」さすがNotebookLM、となります。
この人に取っは熊大のデータがよい
となるでしょう。
ソースの内容を理解しておくことは意外に重要
しかし、熊大の場合、NotebookLMの回答は厳密に言えば間違いです。「精査・解釈」は中学部にはないわけですから。
それに気づくには、私達はソースの内容をある程度知っておく必要があるわけです。
まとめ
- NotebookLMは便利だが、ちょっとした勘違いをする。
- 今回の場合で言えば、読む必要のない、右側の部分を読んでいる。人間ならそこは違うとわかるのに
- その意味で「どんな形式」のソースが入っているのか、などをある程度把握しておく必要がある。
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